歯の見た目が気になる理由は一人ずつ異なります。
- むし歯治療後の詰め物・かぶせ物が目立つ
- 金属色が見える
- 歯そのものが変色している
- 詰め物の境目に色がついた
- 歯の形や歯並びが気になる
まず、何が見た目に影響しているかを確認します。同じ「白くしたい」という希望でも、詰め物の交換、かぶせ物、ホワイトニング、むし歯や歯周病の治療、矯正相談など、選択肢は異なります。
保険と自費を直接比べた研究はほとんどありません
「保険」と「自費」は日本の制度区分であり、材料名ではありません。海外研究の多くは金属焼付冠、ジルコニア、ガラスセラミックなど材料別の研究です。日本の保険CAD/CAM冠と自費セラミックを無作為に割り付けて長期比較した証拠は乏しいため、費用区分から寿命や安全性を断定することはできません。
保険診療でも白い歯にできる場合があります
保険診療では、歯の場所や噛み合わせ、残っている歯など一定の条件により、CAD/CAM冠や白い詰め物を選べる場合があります。制度や適用条件は改定されるため、診察時点で確認します。
保険の白い冠は、一般にレジンを含むブロックから作られます。セラミックと同じ材料ではありません。色、摩耗、着色、脱離、必要な厚みなどの特徴があります。
自費のセラミックにも種類があります
ジルコニア、リチウムジシリケート、表面に陶材を重ねたものなどがあり、透明感、強度、必要な厚み、接着方法が異なります。
利点として、自然な色を再現しやすい、金属を使わない、変色しにくい材料があることなどが挙げられます。
一方、
- 欠けたり割れたりする可能性がある
- 修理や再製作が必要になることがある
- 歯を削る量が増える場合がある
- 噛み合わせや歯ぎしりへの配慮が必要
- 保険外の費用がかかる
という点もあります。
システマティックレビューでは、主要なオールセラミック単冠と金属焼付冠の推定5年生存率は概ね近いと報告されています。ただし、多くは異なる観察研究をまとめた間接比較で、旧世代材料も含まれます。「差が統計学的に明確でない」ことは、完全に同等である証明でもありません。したがって、**セラミックなら必ず長持ちする、金属なら悪い、という比較はできません。**
金属は必ず悪いわけではありません
金属は薄くても強度を確保しやすく、歯を削る量を抑えられる場合があります。長期の臨床実績もあります。見た目、金属価格、アレルギーなどを考慮しながら選びます。
金属アレルギーが心配な場合
口の中に金属があるだけで、皮膚や粘膜の症状の原因と決めることはできません。近年のシステマティックレビューでも研究間の異質性が非常に大きく、歯科金属アレルギーの真の頻度を安定して推定できませんでした。症状は特異的ではなく、パッチテストが陽性でも、口腔内の金属との臨床的な関連を確認する必要があります。
必要に応じて皮膚科など医科と連携し、検査結果、使用金属、症状の経過を確認します。診断がはっきりしないまま、すべての金属を一度に外すことは勧めません。
見た目だけでなく歯全体を確認します
白く作ることができても、土台の歯が弱い、歯周病が進んでいる、噛み合わせが強い、清掃しにくくなる場合には、先に別の治療や設計の変更が必要です。
磯野歯科医院では、見た目、歯の状態、噛み合わせ、清掃性、治療期間、費用を含めて選択肢をご説明します。保険と自費のどちらかを最初から決めて来院する必要はありません。
