歯科医院でレントゲン撮影を受ける時、防護エプロンを着ることがあります。
歯科用レントゲンは、診断に必要な情報を得るために行う検査です。撮影の必要性、撮影範囲、被ばく量への配慮を確認しながら行います。
防護エプロンの必要性については、撮影の種類や考え方によって異なる場合があります。不安がある場合や妊娠中の方は、撮影前に歯科医師やスタッフへお知らせください。
皆さんご存知のレントゲン撮影をする時に着ることがあるアレ。
重いですね。中には鉛が入っていて放射線が通過できません。これを着ることにより撮影範囲以外の身体に放射線が当たってしまうことを防ぎます。今まで着ることが常識になっていましたがここ最近一部の大学病院などでは使用しないようです。
医学の常識は積み重ねられたデータなどにより変わることがあります。
今現在では、防護服を着る必要ないと強く推奨する訳ではなく、着ても良いが無理に着る必要はないという状況のようです。
着ることにより不利益が生じる場合には着る必要はない。着ることにより撮影がうまくいかず再撮影になったりすることは避けましょうという事のようです。
また、放射線は物にぶつかると散乱します。防護服にあたって跳ね返った放射線が顔付近に戻ってきて顔付近の被ばくが増える可能性もあります。(かなり微量ですが)
放射線の強さは距離の二乗に反比例します。(正確な表現ではありませんが)
例えば2センチ離れた所よりも4センチ離れた所では放射線量は四分の一になります。
20センチ離れれば2センチの所よりも百分の一になります。
歯科のレントゲン撮影は体に放射線が向かう方向に撮影をすることはまれであり、放射線量も多くありません。
また放射線の影響を特に受けると心配されている生殖器などは撮影部位からかなり離れています。
今後当院ではすぐに防護服の着用をやめるのではなく、患者さんのご不安もある可能性もありますので説明の上で防護服の着る着ないを選択して頂きます。
※着ることにより再撮影の可能性が出る場合には説明の上着用を控えさせて頂く可能性もあります。
詳細は以下の物をご確認ください。
https://jsomfr.sakura.ne.jp/wp-content/uploads/2019/09/apron_guideline.pdf
歯科レントゲン撮影のよくある質問
歯科レントゲンの防護エプロンは必ず必要ですか?
近年の歯科放射線の考え方では、防護エプロンや甲状腺カラーを一律に使用することは推奨されない方向になっています。
American Academy of Oral and Maxillofacial Radiologyの勧告では、歯科・口腔顎顔面領域の撮影では、生殖腺や胎児への線量は非常に小さいため、骨盤部や胎児を目的とした防護は中止することが推奨されています。また、甲状腺防護についても、通常の歯科撮影では一律使用を推奨しないとされています。
理由の一つは、防護エプロンや甲状腺カラーが撮影範囲に重なると、画像が不鮮明になったり、再撮影が必要になったりすることがあるためです。
大切なのは、防護エプロンを着るかどうかだけではなく、必要な撮影かを判断すること、撮影範囲を適切にすること、患者さんの位置づけを正確にすること、再撮影を避けることです。
ただし、施設の方針や地域の規則、患者さんの不安への配慮により、防護エプロンを使用する場合もあります。
根拠:AAOMRの患者防護に関する勧告、ADAの歯科X線に関する公式解説
歯科レントゲンの被ばく量は多いですか?
歯科レントゲンの被ばくは、撮影の種類によって異なります。
一般的な歯科レントゲンは、診断に必要な情報を得るために行う検査です。ADAは、歯科画像検査による放射線は、日常生活で受ける放射線などを含めた全体の被ばくの中では小さい割合であると説明しています。
一方で、被ばくが少ないから何でも撮影してよいという意味ではありません。必要な撮影かどうかを判断し、必要な範囲を適切に撮影することが重要です。
根拠:ADAの歯科X線に関する公式解説、FDAの医療X線・歯科CBCTに関する説明
妊娠中でも歯科レントゲンは撮れますか?
妊娠中の方は、撮影前に歯科医師やスタッフへお知らせください。
妊娠中の歯科画像検査についてのシステマティックレビューでは、臨床的に必要な歯科画像検査を妊娠だけを理由に制限すべきではないとされています。
また、歯科X線検査による胎児への線量は非常に小さいと報告されています。重要なのは、必要性を確認したうえで撮影すること、不要な撮影を避けること、撮影範囲や方法に配慮することです。
緊急性が低い検査は時期を相談することもありますが、痛みや感染、診断上必要な場合には、妊娠中でも撮影を検討することがあります。
根拠:妊娠中の歯科画像検査に関するシステマティックレビュー、胎児線量に関する歯科X線研究
子どもの歯科レントゲンは大丈夫ですか?
お子さんの場合も、むし歯、歯の生え方、永久歯の位置、外傷、矯正治療の判断など、診断に必要な場合に撮影します。
FDAは、子どもは放射線への感受性が高く、将来の期間も長いため、不要な被ばくを減らすことが重要だと説明しています。
そのため、小児では特に、撮影が必要かどうかを確認し、必要な範囲を適切に撮影することが大切です。
根拠:FDAの小児画像検査・歯科CBCTに関する説明、ADAのImage Gentlyに関する説明
歯科用CTやCBCTは普通のレントゲンと違いますか?
歯科用CTやCBCTは、通常の歯科レントゲンとは異なり、歯や骨を立体的に確認できる検査です。
FDAは、歯科CBCTはインプラント治療計画、顎の評価、外傷、根の治療などで役立つことがある一方、通常の歯科レントゲンより被ばくが多くなることがあると説明しています。
そのため、CTやCBCTは、立体的な情報が診断や治療計画に必要な場合に行う検査です。
根拠:FDAのDental Cone-beam Computed Tomographyに関する説明
参考文献・出典
American Dental Association. X-Rays/Radiographs.
https://www.ada.org/resources/ada-library/oral-health-topics/x-rays-radiographs
U.S. Food and Drug Administration. Dental Cone-beam Computed Tomography.
https://www.fda.gov/radiation-emitting-products/medical-x-ray-imaging/dental-cone-beam-computed-tomography
American Academy of Oral and Maxillofacial Radiology. Patient shielding during dentomaxillofacial radiography: Recommendations. J Am Dent Assoc. 2023.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37530694/
Impact of dental imaging on pregnant women and recommendations for fetal radiation safety: A systematic review. Imaging Sci Dent. 2024.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38571778/
Radiation exposure to foetus and breasts from dental X-ray examinations: effect of lead shields. Dentomaxillofac Radiol. 2016.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26313308/
Radiation protection in dental radiology - Recent advances and future directions. Phys Med. 2017.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28789933/

