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アニサキスアレルギーではないかもしれません

アニサキスという名前を良く聞くようになりました。生の魚を食べると強い腹痛を起こしたりするものですね。

このアニサキスは、特に青魚の内臓付近に多く生息する寄生虫です。体調数ミリから数センチほどの白く細長い寄生虫です。最終的には、くじらやイルカなど海洋哺乳類に宿ります。寄生虫の人生の途中の段階が魚の体という訳ですね。寄生された魚を海洋哺乳類が食べることによってアニサキスは、旅を終え目的地にたどり着くということです。哺乳類の中で産卵し、糞から卵としてまた解き放たれます。それを魚が食べ・・と旅はループしています。

その旅の途中で、言葉は悪いですが人間が魚を海洋から搾取して食べる。するとアニサキスは目的を達することが出来ずに人間の胃の中へたどり着いてしまいます。アニサキスは旅の目的を邪魔され怒ります。そして邪魔をした人間に仕返しを・・・・(これは冗談です)


アニサキスの一生はざっくりとお話をしました。
良く耳にする言葉として

『アニサキスアレルギー』

というものがあります。

実は多くの人が『アニサキス症』と『アニサキスアレルギー』とを混同しています。

ではご説明をいたしましょう。  
まずはこのアレルギーという言葉の説明をいたします。

※平易にするため詳細は割愛します。そのため正確とは言えない表現もあります

食物アレルギーは食べ物の各々のたんぱく質などに反応して人間の免疫(体がウイルスや細菌と戦う機構)が過剰に反応してしまうことによって起きます。
本来は体に害をなすものと戦う機構が間違えて食べ物のたんぱく質を敵とみなし、攻撃をしてしまうわけです。その中で起きてくる症状が蕁麻疹やかゆみや腫れだったりします。

さて『アニサキスアレルギー』ひどい腹痛を伴うものと皆さんが考えていますが実は違います。また加熱して食べても起こります。これはアニサキス本体が持っているたんぱく質に反応して起きるアレルギーのため加熱非加熱、アニサキスの生死問わずアニサキスの破片が含まれていると起きます。

症状は蕁麻疹、アナフィラキシーショックなどです。
『アニサキスアレルギー』の人は過熱をしてあってもアニサキスのかけらが含まれている魚は食べられません。非常に残念なことです。
しかしこの『アニサキスアレルギー』の方は非常にまれと言われています。ご心配な方はお医者さんへ。

では皆さんの良く知っているお腹が痛くなる辛いあのアニサキス。
それは

『アニサキス症』

と言います。

これは生の魚を食べた時に生きたアニサキスが胃に到達し、もがき苦しみ胃の壁に穴をあけ潜り込むことにによって起きます。
痛みのメカニズムは諸説あるようですが、胃に穴をあけるから痛む。と胃に穴をあけるときに分泌される物質に局所アレルギー反応を起こし胃の筋肉が急激に収縮するために起きる。などがあります。
現在は後者が有力のようです。
アニサキスを食べてしまっても痛みが出る人と出ない人がいるのは、この分泌物にアレルギー反応を個人が示すか?によって変わると言われています。
つまり痛まない人もいるようです。

アニサキスにとって人間は最終宿主ではないためいずれ胃の中で死んでしまいます。分泌物にアレルギーを起こさない人は痛みが出ずにアニサキスが死んでいっている可能性があります。
痛みが強い場合には救急でアニサキスを除去しなくてはならない可能性もあります。
アニサキスに気を付けて食事をしたいですね。アレルギーのない多くの人は生食に気を付ければいい様です。

長くなりましたので後日アニサキスの避け方を書きます。