どなたも良い治療を受けたいと考えていると思います。
情報を集める人も少なくないですね。その中で良く耳にする『エビデンス』という言葉。
エビデンス=根拠
なのですが医療では非常に分かりにくいところでもあります。
ネットを使用すると多くの医療情報があります。
『最新の』『最先端の』『精密な』『〇大学で』『論文で』
これらの言葉は治療の効果の確かさを表すものではありません。
最近では次亜塩素酸水が話題になりましたね。
医療ではエビデンスの高さで効果を表現します。エビデンスが高い。低い等。
詳細は割愛しますが論文の存在はエビデンスの高さを示していません。論文がどの様にデータを取り、どれだけの数をもとに行い、どのように評価されたか?などその他もろもろの情報が必要です。ではなぜ論文の存在だけではエビデンスが高いと言えないのでしょうか?
一例を示します
以下は私が説明のために勝手に作った内容ですのでご了承ください
『歯磨きを1日2回以上すると風邪にかかりにくい』
と私は考えたとします。そこで50人にアンケートを行いました。ちょうど25人ずつ歯ブラシを2回以上する人としない人を選び過去5年間で何度風邪をひいたかをデータとしてとります。
結果は歯磨きを2回以上の人の多くは風邪にかかってもおらず。2回以下の人は風邪にかかっている人が多くいました。(便宜上詳細は割愛します)
この結果を見ると歯ブラシをよくする人は風邪にかかりにくいことが正しいように思えます。
しかし
歯ブラシをする人は健康管理の意識が高く普段から手洗いをよくしている(手洗いがある程度効果があるとします)
上記のことが隠されている可能性があります。そうなると歯ブラシが風邪の予防に有効か?は全く分かりません。
データのみを見ると正しく思えますが隠された条件の影響があるかどうかが分からず歯ブラシの効果は不明です。
これはエビデンスとしてはかなり低くなります。一つポイントはエビデンスが低い=間違っている ではありません。あっているか間違っているか分からない、もしくは間違っている可能性が高いが正解です。つまり同じ言葉にみえるエビデンスが低いには、内容によって幅があります。その一方エビデンスが高い=あっている可能性が高い は間違いありません。そのためエビデンスが低い治療が全て駄目であるとはなりません。
このあたりが分かりにくさを増しているのかもしれません。
ではエビデンスが高い情報は何か?と言いますと論文の作り方や数。また近年ではシステマティックレビューという隠された条件(バイアス)の影響を限りなく少なくした評価があります。これはまた別の機会に。
当院ではなるべくエビデンスの高いものを基本として治療を組み立てて提供しています。
※単純化して書いていますので正確とはいえない部分もあります