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歯科医院でのコロナウイルスのリスク

2020年も残り2ヶ月程ですね。約40年生きてきた私には初めての激動の年となりました。
※過去記事を引っ越ししているために日付がずれています


 新年が始まる頃にニュースの画面でみた武漢の様子。他人事に捉えていたcovid-19。
まさかこのような事態が起きるとは誰も予想していなかった事でしょう。

新型コロナウィルスはまだまだ分からない事だらけです。医学に於いてはデータの蓄積も足りずに確実性のある物はありません。
この半年間で様々な情報が発せられ、また覆されの連続です。
今後も混乱は続くのではないでしょうか?

3月頃にメディア等で歯科医院はコロナウィルス感染リスクが高いと連日の様に取り上げられました。
そして、厚生労働省から我々にも極力エアロゾルの発生をする治療は控えるように通達が来ました。これらは全て確実性のあることでは無くそうなのではないかと仮説の上で情報拡散されました。
今回の様な未曾有の事態であれば仕方が無いことなのかも知れません。

それから半年以上が経過した今。
この記事を書いている現在。歯科医院でクラスターが起きた事実は確認されていません。もちろん。スタッフ等が何処か他の場所から感染したケースは数件確認されています。
しかし、患者さんからスタッフ、歯科医院スタッフから患者さんへの感染拡大も確認されていません。

もちろん新型コロナウイルスは解明されていない事が多く

『歯科医院は安全である』

と断言はできません。
しかし、この半年間での事を捉えれば以下の事は言えるのではないでしょうか。

『歯科医院は他業種等と比較して特別感染リスクが高いとは言えない』

これは日々新型コロナウィルス以前から感染対策を行っているからなのかも知れません。

以下は感染拡大が日本とは比較できないほど爆発的に進むニューヨークで半年間3つの歯科医院での新型コロナウイルスの感染を調べた研究です。その中にはスタッフだけではなく受診された患者さん2810人も入っています。
この研究ではスタッフ、患者さん共に歯科医院での新型コロナウイルスの感染を確認できませんでした。この中には新型コロナウイルスの重症化リスクを伴う人も含まれていました。


繰り返しにはなりますが医学に於いて確かであるとするには多くの研究数や時間などが必要になるため上記の物で『安全である』とは断言は出来ません。
しかし、

『他に比べて歯科医院が感染リスクが高い』

とは言えません。お口の中の健康はやはり重要な事です。不確かなリスクを恐れずにお口の異常が現れたら必ず歯科医院を受診しましょう。